「永遠」によせて
12/11に更新されたシゲアキ先生のクラウドにおいて、「エントランスとイグジット」の件が触れられていた。少し前からこのことについて書くか否か迷っていたけれど、やっぱり今だからこそ感じることをここに残しておきたいと思う。
ベストアーティストの放送日はNEWSのDVDシングル「四銃士」のフラゲ日でもあった。が、残念ながら私はフラゲ出来なかったため、その日は四銃士を手に入れないままベスアを見て、KAT-TUN田口くんのことを知った。
とにかく信じられない気持ちで、最初はただ驚くばかりだった。そして亀梨くんが震えながら話しているのを見ているうちに、言いようのない不安が襲ってくるのを感じた。
「何もかもいつかは終わりが来るし、その選択権は彼らにある」
なんとなく目を背けてきた、そんな現実を突きつけられたような気がした。
翌日、混乱と不安が抜けないまま四銃士を迎えに行った。楽しみにしていたPVとメイキングは素晴らしくて、モヤモヤした気持ちが少し軽くなって、でも通常版に収録されている「永遠」を聴いたとき、またどうしようもなく苦しい気持ちが戻ってきてしまった。
永遠などないとわかってる
それでもまだ願ってしまうのは
出だしのフレーズから、もう田口くんのことしか浮かばなかった。曲全体を見れば、恋人同士の別れを描いたラブソングなのだけれど、偶然とは思えないほど今の状況に刺さる言葉ばかりで、それから色々なことが頭を巡った。
今年の初めに放送された「ザ少年倶楽部プレミアム」でNEWSがゲストとして出演した際、「今までグループを抜けたいと思ったことは?」という質問に対して手越さんが答える場面があった。昔からロックをやりたかった彼は、NEWSというグループではその夢が叶わないと考え、抜けたいなと思ったことがあったのだとか。
亀梨くん「それを引き留めてるのは何なの?メンバー?」
手越くん「ファンかなあ。実際迷惑かけっぱなしだし、自分が逆の立場だったら他のグループのファンになっちゃってもおかしくないと思う。でもNEWSが一番好きです、4人になっても応援しますって言ってくれて、すごく愛されてるんだな、今最高のファンがついてくれてるんだなって。そうやって僕らを求めてくれる人がいる限りは、NEWSの中で最高のパフォーマンスをすることが恩返しだし、礼儀だと思ってる。宿命に近いかな」
亀梨くん「ここにいる8人はさ、きっと共通して思うことなんだろうね。きっと自分の欲望よりもそういうことの方が高いところに来る。ファンとの距離感も、ただのアイドルとファンの皆さん、じゃなくてもっと人間に近い部分での距離感を感じるよね」
(※ちょっと要約気味)
うんうん、と8人が頷いていた。田口くんも「そうだよね~」と笑顔だった。NEWSもKAT-TUNも色々あったけど、これからもお互い頑張っていこうぜ、という形で番組は終わる。この時田口くんは、心の底ではどう思っていたんだろう。この時から辞めるってこと考えていたのかな。同じように笑っていた他のメンバーも、笑顔の裏で何を感じていたかなんて、ファンにはどこまで行ってもわかりっこない。
Twitterやブログでは現在進行形で、多くの人が嘆き悲しんでいる。また直接田口くんやKAT-TUNのファンでなくても、自担や担当グループの行く先を不安に感じる人も少なくない。
田口くん自身が具体的に何を思ってこの決断を下したのかは一切語られていない。何か直接的な原因があったのかもしれないし、なかったのかもしれない。ファンや周りの人間がもっとこうしていたら、ということも、何もかもが分からない。恐らくそれが語られることは今後ないだろうと思う。もしあったとしても、きっとそれはずっと未来の話だ。
彼らが本当に何を考えて、何がしたいのか、というのはどこまでいっても不可知で、更にはこうやって「お知らせ」として伝えられてしまった日には、もうひっくり返せない。
だから私たちファンに出来るのは、「今この瞬間」の彼らを目に焼き付けながら、そのキラキラが可能な限り長く続くよう応援していくことだけなのだ。
永遠などないとわかってる
それでもまだ願ってしまうのは
(baby baby you’re my forever)
その笑顔をこの先もずっと
もっと永く見ていたいと思うから
「永遠」のサビはこんな風に続く。永遠などないとわかってる、と歌いながら、コーラスでyou’re my forever、と歌われるのが切ない。二人の関係は永遠に続かないけれど、君はいつまでも僕のなかで永遠だよ、という意味なのかなと思う。
田口くんがアイドルでなくなっても、彼がキラキラの王子様で居てくれたことは事実で、それを証明するように作品や思い出はいつまでも残り続ける。そういう意味では彼は「永遠」になるのかもしれない。
けれど、そんな「永遠」なんて望んでいない。永遠でなくていい、そんなものはないと分かっているから、限られた時間を出来るだけ引き伸ばしながら「今」輝いていてほしいのだ。
なんて我儘なんだろう、と自分でも思う。でもそう願わずにはいられない。